補助金を活用するときに考えること


 工場全体でIoTを導入すると、導入方法/内容によっては数千万円になり、中小企業には負担が重いとなるかもしれません。そのとき、その半分以上を補助してもらえる国等の補助金はとても魅力的です。ただ、公的な補助金である以上、使い方に縛りがあるため使用するのが難しい場合があります。

 IoTの設備投資にものづくり補助金を活用するメリット

⇒上限1000万円まで、設備投資の1/2補助

・採択率は30~60%ですが、IoT関連の設備投資であれば、基本を押さえて書類作成すると確実に採択されます。

 ものづくり補助金のあまり問題ならないデメリット

⇒補助金事務局が良いというまで(交付決定まで)、一切、補助金の対象物を発注できない、購入できない。

申請から交付決定まで、2か月はかかりますが、普通は申請のはるか以前から導入を決めていますので、発注のタイミングまでにはかなり待った感がすると思います。ですが、当初の導入計画や金額から大きく違うと補助金を認めてもらいにくくなるので、申請から交付の間、そしてそのあとも計画を詰めていかねばなりません。調整などしていると、あっという間に交付決定に時期が来ます。(逆に、採択が決まった後の交付申請までに、金額、細かい仕様が決まってなく、事務局から提出を急かさせることになるかもしれません。)

参考:補助金の流れ

【導入構想】⇒【補助金の申請】⇒【補助金の採択通知】⇒【交付申請】⇒【交付決定】⇒【発注】⇒【納品】⇒【実績報告書提出】⇒【補助金の確定通知】⇒【補助金の請求書送付】⇒【補助金の振込】

 ものづくり補助金のデメリット

⇒後から自由に導入内容を変更できない

 IoTデバイスでは情報は送信できますが、情報を集めることはできないので、IoTの導入では大抵、デバイスのみではなく、全体を監視するようなソフトウエアを導入します。

 全体を監視するソフトがパッケージで、全くカスタマイズしないのであれば、補助金を使っても問題は起きないのですが、カスタマイズがあると、ついつい後から後から、この機能も追加とか、要らないとか、全然違うシステムにしたいとなりがちです。

 このとき、追加であれば補助金でも問題ないのですが、採択された計画と大幅に違う変更は難しくなりますので、後から変更が難しいというのが補助金を使うときのデメリットとなります。

 ただ、途中であれこれ変更しない方が良い理由が2つあります。まず、ソフトウエアのベンダーも、たびたびの仕様変更があると納期が読めなくて困りますが、それ以上に金額がどんどん高い物になってしまう上に、検討が不十分になるためソフトウエアにはつきもののバグが増加します。

2つ目として、IoTのシステムを現場が導入前に理解してもらえることは稀です。そのため、実際に導入し現場が使い慣れてから初めて、意味のある改善案が現場から出てきます。使い慣れる前は見当違いの意見・要望が現場から上がってきますが、それらを取り入れシステムを変更することはリスクしかありません。

したがって、ある程度大枠を決定し、最初に決定した仕様書通りに導入してから改善するのがベターではないでしょうか?そうであれば、補助金の活用はデメリットになりません。